委員会活動 【Vol.149新春号:医療安全ミニ情報】ワンポイント・アドバイス

【Vol.149新春号:医療安全ミニ情報】ワンポイント・アドバイス

看護者が保険医療福祉施設において遭遇する暴力対策
暴力対策として日本看護協会により2006年に『保健医療福祉施設における暴力対策指針~看護者のために~』が作成されました。暴力対策を行う上で組織として重要なことは、まず組織の風土改革、保安体制の見直し、安全対策委員会や相談窓口の設置、安全マニュアルの整備、教育などの「安全管理体制」の強化、「健康管理」を基本的な枠組みとしたリスクの把握、分析、対策、評価といったリスクマネジメントプロセスにそった対策などが挙げられます。

暴力の定義

身体的暴力、精神的暴力(言葉の暴力、いじめ、セクシュアルハラスメント、その他嫌がらせ)をいいます。

暴力の種類(レベル)

  • レベル1:暴言・脅迫
  • レベル2:器物破損
  • レベル3:被害者に医療処置を要する傷害が生じた場合(警察の介入の有無)
  • レベル4:被害者に生死に関する重大な傷害が生じた場合

暴言・暴力対策

暴言・暴力を予防するために心がけることの一つに接遇の重要性が上がってきます。多忙な現場では、常に患者の望み通りのサービスが提供できるとは限りませんが、多種多様な患者のニーズに応えるために、各職員には状況に応じた臨機応変な接遇が求められることになります。

<接遇のポイント>

  1. 身だしなみ
  2. 挨拶
  3. 目線
  4. 状況説明
  5. わかりやすい表現
  6. 電話での対応
  7. 環境整備

<声掛けの立ち位置>

相手との空間の共有には、相手が違和感を持たない距離が大切となります。
※50cm以上はなれて斜め45度から90度の角度で声掛けをすると威圧感が軽減されます。

 

看護者の倫理綱領でも触れています。

第6条において、暴力の対象となる人々を保護し安全を確保することを明示しており、患者等が被害者となる暴力の予防を示しています。

第12条では看護者が自身の心身の健康の保持増進に努めることを明示しており、その解説文において看護者を暴力から保護することが明記されています。
看護者にとって安全でかつ健康に働くとのできる職場環境は、患者等にとっても安全な療養環境・生活環境であり、質の高い看護サービスの提供につながるものと考えます。
暴力は看護者の職場環境を脅かすものであるため、その対策の重要性を関係者に広く周知する必要があります。

各病院の取り組みとしては、ポスターで暴力に対する病院の姿勢を示したり、暴力発生時のフローチャートを作成し、職員への周知をしたりしています。また、防犯ベルを夜勤看護師に提供し、夜間通路の照明や防犯カメラ設置をしている所もあります。皆さんの病院ではいかがでしょうか。

患者はもちろん、職員や院内にいるすべての人が安全で安心して過ごせるように、どのような状態の患者であっても、人間としての尊厳を尊重した対応を日常的に実践することが暴言・暴力を防ぐ対策の一歩であるといえるでしょう。

参考文献 「保健医療福祉施設における暴力対策指針」

(文責 河野美奈子)

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