看護職を目指す皆さま助産師になるには
助産師とは
助産師は、妊産婦への保健指導や出産の介助、産後の母子のケアを担っています。ほかにも、育児指導や、不妊治療を行っている夫婦の相談、思春期・更年期の性の健康に関する相談など、女性の生涯を通じた性と生殖における健康問題に関わります。病院・診療所に勤務する以外に、自分で助産所を開業することもできます。
2015年から助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルⅢ認証制度が始まり、助産師の実践能力が可視化されるようになりました。実践能力を認証されると「アドバンス助産師」と称されます。
資格が生かせる場
病院/診療所/助産所(開業が可能)/助産師教育機関/都道府県・保健所/市区町村・保健センター/海外での助産活動/官公庁・職能団体 など
(日本看護協会「やっぱり看護のシゴト」より)
助産師になるまで
※1 大学専攻科の入学資格は、大学卒業者です。
※2 保健師・助産師の教育プログラムがある大学では、看護師に加えて保健師・助産師の国家試験受験資格を得ることができます。
先輩インタビュー
学生編
助産師を目指す学生にインタビューしました。
学生Aさん
- 助産師になりたいと思ったのはなぜですか?
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看護師を目指し、様々な領域の看護について学んでいく中で、母性看護学の女性のライフサイクルに焦点を当てて、女性の一生に関わっていく点に惹かれ、その中でも妊娠から出産までの母児に深く関わることの出来る助産師という職業に魅力を感じました。もともと子どもと関わることがとても好きだったこともあり、助産師という職業を目指しました。
- どんな助産師になりたいですか?
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私は、女性と赤ちゃんに心から寄り添い温かい関わりが出来る助産師になりたいです。
また、妊娠期から出産の場面、産後に至るまで、女性と赤ちゃんにとっての安全を守り、満足のいく経験が出来るように支えていくことができる助産師になりたいです。 - 実習で印象に残っていることはどんなことですか?
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実習で印象に残っていることは、出産を終えた時のお母さんや旦那さんの表情です。
妊娠中から様々な喜びや不安を感じながら約10か月という長い期間を過ごし、ついに分娩に臨み、命がけで赤ちゃんを産んだお母さんはとても幸せそうないい表情をされていて、素敵だったことが印象的です。
旦那さんや面会に来たご家族も本当に嬉しそうな表情をされていて、新しい命が生まれ家族が増えることの喜ばしさや尊さを感じました。また、そういった貴重な瞬間に関わらせていただけて、助産師を目指してよかったと感じました。
学生Bさん
- 助産師になりたいと思ったのはなぜですか?
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もともと看護職に興味があり、調べていくうちに助産師という仕事に憧れるようになったことがきっかけです。そして、母性看護の実習を終えて助産師になりたいという自身の強い思いを再確認し、志しました。
- どんな助産師になりたいですか?
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新しい生命を迎える産婦さんとその家族へのサポートはもちろんですが、妊娠、分娩そして産後にかけて健やかで前向きに、安心して過ごしてもらえるような関わりができる助産師になりたいです。
- 実習で印象に残っていることはどんなことですか?
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誕生直後、赤ちゃんを抱き愛しそうに見つめる産婦さんの姿は、思わず涙がこぼれそうになるくらい感動的でした。また、「貴方のおかげで乗り越えられた」等の言葉をいただけると、改めて助産師という仕事の魅力を感じました。
助産師編
現役助産師にインタビューしました。
助産師Cさん
私は幼い頃から、妹のお世話や幼い子たちと遊んだりすることが好きでした。高校生の進学の際に、赤ちゃんの誕生だけでなく女性の一生に関わり、寄り添っていく助産師という仕事を知り、助産師を目指しました。
現在は、産科病棟で助産師として働き始めて4年目になります。分娩介助を担当し、自分で判断して母児のケアをする機会も増えてきました。しかし、出産の場面では、赤ちゃんの産声を聞くまで、お母さんと赤ちゃん2つの生命を預かっているという責任の重さを感じ、とても緊張します。そして、産婦さんにとって出産という経験が、これから始まる育児の良いスタートとなるようにと、コミュニケーションを取り、思いに寄り添ったお手伝いを心がけています。無事に出産を終え、赤ちゃんを抱いて笑顔で退院される母親をみると、助産師としてのやりがいを感じます。
実際に働き始めると、責任も大きく自分自身の関りを悩んだりすることも多くあります。しかしその分、自分で考えて行動し、成果が得られた時の達成感や、やりがいもたくさん感じられる仕事だと思います。看護職を目指すみなさん、勉強や実習に不安もたくさんあると思いますが、自分を信じて夢に向かって頑張ってください。
助産師Dさん
地域包括と産婦人科の混合病棟で助産師として勤務し、9年目を迎えました。小学生のときから目指した念願の夢が叶い、地元の病院で勤務することになりましたが、やはりはじめは自分に自信が持てない毎日でした。そんな私ですが、担当した方々からのお言葉や手紙に励まされながら、今ではチームの一員として楽しく仕事をすることができています。
助産師としてのやりがいといわれると、妹のお産を三度取り上げられたことが一番に思い浮かびます。こう考えると、誰かにとってのかけがえのない家族を迎え入れるお手伝いができる助産師は、責任重大な仕事であるのはもちろん、幸せな仕事だと感じます。また、看護職という仕事は、自分の価値観ではなく、相手の価値観を尊重しながら、いかにより良い方向に援助できるかが大切だと思います。つまり、自分が助産師としての役割をどう認識し担っていくかによって、関わり方は無限にあり、そこにみんなやりがいを感じているのではないかと思います。
これから看護職を目指す方たちへ、夢を持っていた分はじめは誰でも壁を感じるときがくると思います。しかし、いずれ必ず実を結ぶときがくるので、そのときまで自分を信じて頑張っていってほしいなと思います。