看護職を目指す皆さま保健師になるには
保健師とは
保健師の仕事は、人々が健康な生活を送れるように保健活動を行うこと。保健所・保健センターなどの公的機関で働く保健師が多く、地域の健康データを分析した上で、問題の解決に向けて乳幼児健診や健康相談、生活習慣病予防対策などを行っています。また、家庭訪問による健康問題の解決への支援を行うなど、子どもから高齢者まで健康に暮らせる地域づくりに向けて活動し、健康に関する自治体の政策にも関わります。
企業では、働く人たちのメンタルヘルス対策や健康相談、健診結果に基づく保健指導、環境調整も行います。
資格が生かせる場
都道府県・保健所/市区町村・保健センター/子育て世代包括支援センター/地域包括支援センター/企業の健康管理室/健診機関/海外での保健活動/官公庁・職能団体 など
(日本看護協会「やっぱり看護のシゴト」より)
保健師になるまで
※1 保健師・助産師の教育プログラムがある大学では、看護師に加えて保健師・助産師の国家試験受験資格を得ることができます。
先輩インタビュー
学生編
保健師を目指す学生にインタビューしました。
学生Aさん
- 保健師になりたいと思ったのはなぜですか?
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私が保健師を志すようになったきっかけは、高校生の頃、祖母のがんが検診により早期発見できたため治療に繋げられ、予防医療の大切さを痛感したためです。また、大学での実習で自主グループ活動や子育て支援事業などに参加したことで、人々が安心して暮らせる地域づくりに携わりたいという思いがより一層強くなりました。
- どんな保健師になりたいですか?
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疾病予防や健康増進に貢献するだけでなく、その人の人生全体を長い目で捉えたり、地域の人々に安心感を与えたりできる保健師になりたいです。
また、住民との対話や地区踏査によって地域性を知ることで、その地域の強みを活かした介入をしていきたいです。 - 実習で印象に残っていることはどんなことですか?
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公衆衛生看護学実習において、ベビーマッサージ教室に参加していた乳幼児と母親を対象に「親子で熱中症を防ごう!」というテーマで健康教育を行いました。地区内の涼める場所を実際にピックアップして伝えたり、年齢に適した熱中症予防法をまとめ、パンフレットとして配布したりしたことで、その地域や年代に沿った具体的な情報提供ができ、母親たちにも喜んでいただけた経験がとても印象に残っています。
学生Bさん
- 保健師になりたいと思ったのはなぜですか?
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病棟実習で担当させていただいた方々の多くが地域愛が強く、私もいつの間にかその地域を支えていきたいと感じるようになっていたことがきっかけです。
- どんな保健師になりたいですか?
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地域とともに成長できる保健師になりたいです。地域の強みや課題を知り、支援・企画を行う中で地域も自分自身も成長できるようになりたいです。
- 実習で印象に残っていることはどんなことですか?
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住民の方が主体となって、地域づくりを行っていたことです。保健師さんをはじめ、地域のいろんな職種や機関と連携して今の体制を築いてきたことや、地域のエンパワメントを学べたことが印象に残っています。
保健師編
現役保健師にインタビューしました。
保健師Cさん
私は精神保健係を3年間経験し、現在は感染症対策係の保健師として、結核対策やHIV/エイズに関する知識の普及啓発、感染症が発生した際の疫学調査等、地域住民を感染症から守る業務を行っています。
結核対策では、結核患者さんに家庭訪問等を行い、服薬確認支援を通して、確実な治癒に導きます。患者さんの思いや生活を丁寧に聞き取り、実際の生活に即した支援となるよう心がけています。また、関係機関とは、カンファレンスや日々の連絡により、顔の見える関係づくりを通してチームで支援を行います。長い治療を無事終了してともに喜びあえたとき等に、保健師としてのやりがいを感じています。
保健師の仕事は、地域住民の「命」と「暮らし」を守ることです。一人の対象者との関わりから、その方の背景や地域にも目を向け、住民とともに健康な地域づくりを目指していきます。まだまだ専門的な知識や経験が浅く、日々勉強ですが、地域の方や関係機関の方にも教えていただきながら楽しく従事することができています。
また、県の保健師は定期的な異動がありますが、その度に様々な地域を知ることができ、愛媛県の魅力を再発見できることも魅力の一つです。ぜひ保健師という仕事に興味を持っていただけたら嬉しいです。
保健師Dさん
入職してから5年間は本庁にて特定健診・保健指導や重症化予防、精神の業務を担当していました。今年度から支所に異動になり、老成人事業・地域支援事業を主に担当しています。
当市では地区担当制でもあることから、担当地区の赤ちゃんから高齢者までの訪問や相談、健康教育などを行っています。幅広い年代の方へ支援を行うので、大変さはありますが、先輩保健師にも相談しながら業務を行っています。支援をした方が元気で生活されている姿をみたり、健康教育などでは、住民の方が教室の後「やってみたよ~」「(数値が)よくなったよ!」と嬉しい報告をもらい、やりがいを感じています。
当市では豪雨災害も経験しました。その際、先輩保健師は日ごろの関わりの中で支援が必要な人を把握し、訪問や健康相談を行っていました。地域を知っている、顔のわかる保健師の存在は安心感があり、心強かったのではないかと思いました。私もそんな保健師を目指して日々活動しています。
いろいろな人と関わることで、知識や経験を重ねることができ、住んでいる方々が元気で暮らすための手助けができる保健師という仕事に、少しでも興味をもってもらうと嬉しいです。
先輩の1日
ある自治体(保健所)保健師のスケジュール
※就職して2年目:精神保健係の係員
保健師記録家庭訪問内容や会議の結果などを記録します。
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8時30分
始業・朝礼、メール等チェック
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9時
精神保健事業に関する打ち合わせ
担当事業や係内の事業の企画内容について係で相談します。 -
10時
来所相談対応、事務処理 精神疾患やメンタル不調がある本人からだけではなく、家族からの相談などにも対応。
※随時対応 -
12時
昼休み
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13時
担当地区の会議出席 担当しているA市のケース会議や自立支援協議会に出席し、精神障がい者のニーズや支援について考え、A市の地域課題やそれを解決する方策などについて情報交換。
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14時30分
家庭訪問 A市の保健師さんと一緒に精神疾患やメンタル不調を抱える当事者や家族のもとに家庭訪問を実施。
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16時
関係機関への連絡・記録など
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17時15分
退庁
随時対応していること
- 電話相談
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精神保健に関する住民・関係機関からの相談に対応。
- 来所相談
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精神疾患やメンタル不調がある本人からだけではなく、家族からの相談などにも対応。